小児科でよくみられる症状疾患|福岡市中央区梅光園・城南区の小児科|あんどう小児科医院

〒810-0035福岡市中央区梅光園2-10-20
092-734-1189
ヘッダー画像

小児科でよくみられる症状疾患

小児科でよくみられる症状疾患|福岡市中央区梅光園・城南区の小児科|あんどう小児科医院

診察風景

小児の病気として、症状の訴えがなかったり、分かりにくかったりという特徴があります。さらに、一旦発症すると急速に進行することが多く、小児特有の病気の種類も多数あります。小児期は感染症に対する免疫が弱く、感染症にかかりながら免疫を獲得しています。そのために、一生で最も感染症にかかることが多い時期といえます。
小児の病気は大人とはさまざまな点で異なっているため、日頃からお子さまの平熱、顔色などの状態などをよく観察しておくことが大切です。「いつもと違う」というご両親の直感が、病気の発見につながることもあります。

小児科でよくみられる症状

このような症状の方はご相談ください

  • 発熱
  • 鼻水
  • 鼻閉
  • 喘鳴(ゼイゼイ)
  • のどの痛み
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発疹
  • 湿疹
  • じんましん
  • 皮膚の乾燥
  • とびひ
  • 眼脂
  • 耳痛
  • けが
  • やけど
  • 熱性けいれん
  • 川崎病
  • アトピー性皮膚炎
  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • アレルギー性結膜炎
  • など

小児科の対象となる主な感染症

小児期の重要な感染症として、突発性発疹、RSウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、マイコプラズマ感染症、アデノウイルス感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、とびひ(伝染性膿痂疹)、A群溶連菌感染症、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、麻疹 、風疹、百日咳、感染性胃腸炎(ノロ、ロタウイルスなど)、伝染性紅斑(りんご病)、水イボ(伝染性軟属腫)などがあります。

発熱について

子どもの受診でもっとも多いのが発熱です。37.5℃以上あるいは平熱よりも1度高い場合を発熱と定義されていて、それ以下であればほとんどの場合、心配がいりません。お子さまが熱を出すと心配になりますが、幼い子どもは感染する様々なウイルスが初めてであり、感染の都度、その防御反応としてよく熱を出します。また、体力もなく、疲れたり、興奮したりしただけでも熱が出ることがあります。発熱は病気のサインとして重要なうえ、体の防御反応ですから、むやみに薬で熱を下げる必要はありません。解熱剤などは医療機関の診察で病気の状態が把握されてから、医師の指示のもとで使用してください。
幼稚園や保育園などに通いはじめた当初はいろいろな感染症にかかり、体調も崩しやすくなります。お子さまの様子を十分に観察して適切に対応しましょう。

突発性発疹

突発性発疹は、2歳までにほとんどの人がかかるとされている頻度の高い感染症です。発症すると、突然38℃以上の高熱が現れますが、食欲がない、機嫌が悪い、ぐったりしている、といった全身症状が目立たないケースが多いことも特徴です。通常、発熱は3〜4日で自然に治まりますが、解熱後に全身(顔や腕、脚など)に発疹が多数みられます。発疹は2~10㎜程度の小さなプツプツとした紅斑で、3~4日ほどで跡を残さず消失します。かゆみや痛みなどは伴いません。一般的に後遺症を残すことなく1週間程度で自然治癒する病気ですが、熱が上昇する際に熱性けいれんを発症することもあります。

RSウイルス感染症

RSウイルスは、乳幼児に重症な呼吸器感染症を引き起こす主要な原因の一つです。特に2歳未満の子どもに多く見られ、感染力が非常に強い感染症です。
RSウイルス感染症の症状は、軽度から重度までさまざまです。軽度の場合は、発熱、咳、鼻水、軽い喘鳴で、合併症がなければ5日間程度で軽快します。重度の場合は、高熱、激しい咳、強い喘鳴、呼吸困難(多呼吸、胸の陥没呼吸や肩呼吸など)、水分摂取も困難なほどの食欲不振などを認めます。
RSウイルス感染症は、重症化すると細気管支炎、急性肺炎などの合併症から呼吸不全を引き起こすことがあります。こういう場合は、症状が重くなる前に入院が必要になります。

ヒトメタニューモウイルス感染症

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、2001年に初めて発見された比較的新しいウイルスで、おもに呼吸器感染症を引き起こし、特に冬から春にかけて流行します。
症状は、RSウイルス感染症と類似していますが、RSウイルスに比べて若干年齢層があがり、症状もやや軽症の場合が多いです。しかしながら、重症化して、入院になることもありますので、十分な注意が必要です。

アデノウイルス感染症(プール熱)

高熱が5日程度続く感染症です。目にも感染しやすく、目の充血、目やにを伴う場合は、プール熱とも呼ばれます。急な発熱からはじまることが多く、39〜40℃くらいまで上がることもあります。熱は昼間に下がり、夕方になると上がるなど上下する場合もあり、高熱の割に比較的元気なケースもあります。症状は、初期に熱だけのことも多く、途中から喉の痛みや咳、鼻水が出ることがあります。治療薬はなく対症療法を行います。感染力が強いため、熱が治まっても1~2日間は保育園や幼稚園などは休むようにしましょう。

手足口病

夏かぜのウイルスで起こる病気で、手のひら、足のうら、口の中に水疱(水ぶくれ)ができるのが特徴です。
生後6ヶ月くらいから4~5歳ころの乳幼児に多く、夏に流行します。感染した子の咳やくしゃみを吸い込んでしまう飛沫感染や便から排泄されたウイルスが手に付着し経口感染することもあります。
潜伏期間は3~5日くらいです。口の中の発疹は盛りあがったり、水をもったりするブツブツで、破れて潰瘍になると、刺激のある物を食べるとしみて痛がるようになります。
口の中の症状に少し遅れて、手のひら、足のうらなどに生米くらいの水疱性の発疹ができます。この発疹は吸収されて一週間以内に治りますが、まれに髄膜炎を合併することがありますので、高熱や頭痛、ひきつけ、嘔吐などの症状が伴う場合は、すぐに受診しましょう。

ヘルパンギーナ

夏かぜのウイルスで起こる病気です。水疱ができて発熱がある点で、手足口病と似ていますが、手や足には発疹は出ず、口だけに症状が現れます。乳幼児の間で流行し38〜40℃の高熱が2~3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができ、痛みがあり食べることが困難になります。重度の場合、水分も飲めず脱水症になることもあります。熱は2~3日で下がり、水疱も一週間くらいで治ります。治療は喉の痛みを抑える薬の服用などで対症療法を行います。

水痘(水ぼうそう)

水痘・帯状疱疹ウイルスが咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んだり(飛沫感染)、水疱が破れて出てきた液に触ったりする(接触感染)ことで起こります。37~38度程度の発熱とともに、赤い小さな発疹が現れます。発疹は、水が入ってふくらんだ水疱になり、かゆみが強くなります。水疱は2~3日でしぼみ、黒褐色のかさぶたになり、1週間程度で治ります。水ぼうそうは治ってもウイルスは長く体の神経節細胞内に留まっているため、何年か後に帯状疱疹(帯状ヘルペス)という病気を発症することもあります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

正式には流行性耳下腺炎といい、感染力が強い病気として知られています。ムンプスウイルスによる感染症で、主な症状は熱と耳下腺の腫れです。耳の下から頬やあごなどが腫れて痛みます。まず片方が腫れ、2~3日経ってもう片方が腫れてくる場合もありますが、片方だけが腫れることもあります。耳下腺の腫れと同時に発熱がみられることもあり、3日目くらいが腫れも熱もピークとなります。その後、1週間程度で治ります。かかりやすいのは幼児期後半なので予防接種は2~3歳までに済ませておくとよいでしょう。幼稚園や保育園など集団生活に入る前が適切な時期といえます。

麻疹(はしか)

麻疹ウイルスによって引き起こされる全身感染症であり、空気・飛沫(ひまつ)・接触感染経路によって鼻やのどから感染します。通常は10〜12日間の潜伏期を経て発症し、発熱、咳、鼻水、目の充血、赤くかゆみのある発疹などの症状が現れます。一度感染すると免疫は一生持続するとされています。日本では麻疹ワクチンの普及により、麻疹の患者さまは減少していますが、1ヶ月以上蕁麻疹(じんましん)が出たり消えたりする慢性蕁麻疹の場合は、治療が長期になることもあります。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、A、B、Cの3型があり、通常、寒い季節に流行します。感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。主な合併症としては肺炎、脳症が挙げられます。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。
季節性インフルエンザはいったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。二次感染、合併症の予防のためにも、できるだけ早く受診することが大切です。
なお、インフルエンザは学校感染症に指定されており、発症後5日を経過し、さらに解熱後2日を経過するまでは登校(園)停止とされています。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス(COVID-19)は、2019年末に初めて報告され、世界的なパンデミックを引き起こしたウイルスです。コロナウイルス科に属するウイルスで、COVID-19という呼吸器感染症を引き起こします。ウイルスは人から人へ飛沫を通じて伝染し、急速に広がる能力を持っています。
COVID-19の症状は軽度から重度までさまざまですが、小児の場合は多くが無症状または軽症で回復しています。
小児の症状は、発熱、咳、喉の痛み、疲労感、学童以上でまれに嗅覚や味覚異常を認めますが、多くの場合は普通のかぜの症状とほとんど変わりません。しかしながら、感染力は非常に強いため、高齢者や肺・心臓などの基礎疾患を有する人に対しては、十分な感染対策が不可欠です。

急性胃腸炎・感染胃腸炎

胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。
家族に感染することも多いので、家族全員で手洗いを十分するように心がけましょう。

とびひ

初夏から夏にかけて乳幼児や学童によくみられる病気です。皮膚表面に細菌が感染し、水疱や発赤、糜爛(びらん)などができます。かゆみが強く、かきむしった手を介して、水ぶくれやかさぶたがあっという間に全身へ広がります。この広がり方から「飛び火」と呼ばれています。
治療は抗生剤を内服し、患部を清潔にして抗生剤入り軟膏を塗布します。適切な治療により、一週間程度で治っていく病気です。

A群溶連菌感染症

A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染症で、かぜと似たような症状が現れます。急性咽頭炎を起こした場合、発熱してのどが痛くなり、のどや口の中が真っ赤になります。舌にいちごのようなブツブツ(苺舌)や全身の皮膚に小さい発疹(粟粒疹)ができることもあります。適切な抗生剤の投与で発熱などは24時間以内に治まり、それ以降は登園や登校も可能になります。しかしながら、後々の急性腎炎やリウマチ熱(心臓弁膜症)、IgA血管炎を予防するために、抗生剤は10日間服用することが重要です。熱や咽頭所見である程度わかる病気ですが、咽頭の粘膜の検査で診断することができます。

マイコプラズマ感染症

肺にマイコプラズマという微生物が感染することで起こります。若年者に多く、熱が下がらない、咳がひどいといった症状が続きますが、比較的元気なことも少なくありません。胸のレントゲンでは、暗い肺野の中に、白っぽい肺炎の影が認められます。発疹を伴うこともあります。マクロライド系の抗生物質を中心とした薬物治療が行われます。

川崎病

川崎病は、全身の中小血管に炎症を引き起こす病気で、冠動脈(心臓を供給する血管)に影響を与えることがあります。
川崎病の主な症状は以下の通りです。①高熱:通常、5日以上続く高熱、②発疹:体全体に広がる発疹、③結膜充血:両目の白目が赤くなる、④口腔の変化:唇の発赤やひび割れ、いちご舌(赤くぶつぶつのある舌)、⑤手足の変化:手足のむくみや赤み、指先の皮がむける、⑥リンパ節腫脹:首のリンパ節が腫れる、⑦BCG接種部位が発赤する
川崎病は、適切な治療を受けないと、冠動脈瘤、冠動脈炎、心筋炎、心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。川崎病の診断が疑われる場合は、上記の合併症を防うために、入院加療を行う必要があります。

TOP